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韓国の新進気鋭作家展 スマートで思索的な5人
2009.7.27 07:55

韓国人アーティスト、クォン・ドゥヒョンの写真作品=東京・東神田のFOIL GALLERY 韓国の現代アートを紹介する「レイヤーズ韓国の新進気鋭作家」展が、東京・東神田のフォイルギャラリーで開かれている。4組5人の若手作家が参加したグループ展には、スマートで思索的な作品が並ぶ。

 会場入り口には、チェ・スンフンとパク・ソンミンのコンビによる写真作品。日常の断片を面白がる、穏やかな視点は親しみやすい。続いて、グラインダーで人形やチェスの駒を削るシン・ギウンのビデオアート。反対側に、キッチンに鋭いトゲを敷き詰めるというキム・シヨンのインスタレーションを収めた写真。海外作家だというのに、不思議なほど違和感がない。

 会場奥に掲げられたクォン・ドゥヒョンの写真作品も、絵画あるいは立体とさえ見まがう独特の質感が斬新だが、やはり日本の現代美術ファンに理解不能なものではない。見終えたあとに残るのは、刺激というよりは共感。これが隣国の現在だとすれば、アートにおける日韓の距離はいま、意外に近いのかもしれない。

 8月8日まで。入場無料。(電)03・5835・2285。(篠原知存)